
今日,先日採集してきた,ミヤマアカネの幼虫とホソミイトトンボの幼虫が自宅羽化し,それぞれ,ミヤマアカネ,ホソミイトトンボであることが確認できました.


ミヤマアカネは夜中に羽化したみたいで,早朝にはすでに飛び立っていて,電気をつけたらそこに飛んできました.一方,ホソミイトトンボの方は,私が起床してから羽化したみたいで,まだ,支持棒に止まっていました.



ホソミイトトンボは2頭羽化していました.いずれにしても,これで,採集個体が間違いなくミヤマアカネとホソミイトトンボであることが確認できました.
今日,先日採集してきた,ミヤマアカネの幼虫とホソミイトトンボの幼虫が自宅羽化し,それぞれ,ミヤマアカネ,ホソミイトトンボであることが確認できました.
ミヤマアカネは夜中に羽化したみたいで,早朝にはすでに飛び立っていて,電気をつけたらそこに飛んできました.一方,ホソミイトトンボの方は,私が起床してから羽化したみたいで,まだ,支持棒に止まっていました.
ホソミイトトンボは2頭羽化していました.いずれにしても,これで,採集個体が間違いなくミヤマアカネとホソミイトトンボであることが確認できました.
今はトンボの端境期で,春のトンボが姿を消し,夏のトンボの出始めの時期です.この時期が最盛期のトンボの一つにキイロサナエがあります.今日はそれを見に行く予定でした.しかし現地に着くと,今年は発生数が少ないのか,パラパラとまばらにしかオスが止まっていません.トンボは,ある年突然数が少なくなることがあるので,あまり気にしないようにしたいですが,ちょっと心配ではあります.
キイロサナエがいたすぐ横の流れの畔で,未熟なアキアカネが草陰に止まっていました.数は結構いて,今が羽化期のようです.近くの休耕湿地で幼虫をすくってみると,たくさんはいりましたので,ここから羽化したのでしょう.
今日のもう一つの目的に,ホソミオツネントンボの幼虫採集があります.この春に紹介したように,たくさん産卵していたところがあるので,ここで幼虫を採集しようというわけです.ホソミオツネントンボの幼虫はどういうわけかいつもあまり網に入らないのですが,今日もまたその通りになりました.小一時間すくって,やっと1頭という感じでした.ネキトンボやショウジョウトンボやギンヤンマの幼虫がたくさん網に入ったので,これらに捕食されてしまったのかも知れません.
この幼虫,尾鰓がふぞろいです.おそらく失われて再生してきたものでしょう.他の捕食者に食いつかれたのかも知れません.アオイトトンボに似ていますが,尾鰓が違います.また大きさは,アオイトトンボの約半分しかありません.成虫の大きさに比べて幼虫がかなり小さいような気がします.
ということで,いちおう採れはしたものの,なんとなく消化不良の感じです.池ではショウジョウトンボが元気に飛び回っており,コフキトンボも少しだけいました.
ということで,まだ時間がありますし,端境期に最盛期が重なる数少ないトンボ,ハッチョウトンボを見に行くことにしました.このハッチョウトンボ,時間的にもお昼前で,ちょうど産卵時間帯になっていました.ほとんど待つことなく4,5回の産卵を観察することができました.写真とビデオに記録しました.
ハッチョウトンボは1m間隔くらいで止まっていて,それが縄張りの大きさのようです.他のオスが入ってくると,目にもとまらぬ速さでぐるぐると飛び回って追い払います.そんなとき,メスが入ってくると,それを捕まえて交尾します.交尾は十数秒と非常に短時間です.
もう一つ別のカップルでは,オスがやたらにメスに接近して警護しました.このカップルは交尾の写真が撮れませんでした.交尾が終わってオスがメスを放した後,このオスはメスの後方でホバリングし,その後飛んでいるときも止まっているときも,接近して警護活動を続けました.今度はそういったところを記録してみました.
メスが産卵を続けていると,やがて他のオスに見つかってしまいます.オスはメスのそばに付き添いながらも,まわりのオスを追い払いにかかります.メスは素知らん顔で産卵を続けます.まるで,「私の産卵の邪魔をしないように,交尾オスさんしっかりと他のオスを近づけないようにしてね.」と言っているようです.
しかし,オスがたくさんいる状況では,1頭のオスの力だけでは,次々にやって来る他のオスたちを追い払うことはできません.このメスもとうとう他のオスに捕まり交尾を強要されてしまいました.最初の交尾オスくんの努力は最後までは報われませんでした.
交尾直後のオスの静止がもっとも受精率が高いので,後半の卵は,2頭目のオスの子孫が大部分でしょう.しかし,この産卵は短時間で終了し,メスは湿地横の草むらに止まりました.ただ,やたらと腹部を曲げて,なにやら違和感を感じているような動作を続けました.
こんな感じで,中身は濃かったですが,時間的には40分ほどの観察でした.ホソミオツネントンボの幼虫をすくっている時間の方が長かったような気がします.ところで,まだ正午過ぎです.とにかく腹ごしらえをして,午後は,これもこの端境期に繁殖最盛期があって,ちょうど午後に産卵するモートンイトトンボを見に行くことにしました.
慎重に湿地の草の間を探しましたが,産卵しているらしいメスの姿はありませんでした.ただ何かのイトトンボが次々に羽化しているのが目に付きました.アジアイトトンボのように見えましたが,写真を撮ってみると,ホソミイトトンボでした.
そこにたくさん居たものを観察すると言う鉄則に従って,ホソミイトトンボの幼虫をさがしてみることにしました.ホソミイトトンボの幼虫は,出現期間が短いために,うまく採集することが難しいイトトンボです.網を入れてみると,案の定,ホソミイトトンボが入りました.この幼虫も非常に小さく,モートンイトトンボと変わりないほどです.十数ミリの体長しかありません.
ということで,700回目のブログは,目的外の成果があった一日の報告でした.
今日はホームページの充実のために,ミヤマアカネの幼虫を採りに行きました.「兵庫県とその近隣のトンボたち」のページでは幼虫の生体写真を掲載しています.そこではまだ何種類かの幼虫が未掲載です.そのうちの一つ,ミヤマアカネの幼虫を,今日は採って撮影することにしました.
ミヤマアカネの幼虫採集で難しいのは,マユタテアカネとの区別です.だいたい,ミヤマアカネの生息するところには,マユタテアカネも生息しています.ミヤマアカネは川の生息者でマユタテアカネは池の生息者ですが,マユタテアカネが川に入り込んでいるのです.今日採れた中にもマユタテアカネが混じっていました.
写真で見ると色が若干違いますが,これは個体差があるので,判別の手がかりにはなりません.また赤とんぼ(アカネ属)の幼虫の区別点としてよく使われる,腹部第8,9節の側棘の長さや形態も,ほとんど判別不可能なくらい似ています.
唯一確実なのは,前下唇の下唇前基節の縦横比です.前下唇の形態自体も,マユタテアカネの方がミヤマアカネよりやや細長い感じがします.「感じ」ではいけないので,実際の下唇前基節の縦横比を取ってみますと,ずいぶん違うことが分かります.
ミヤマアカネの方が,前下唇がずんぐりしている感じがしませんか? またマユタテアカネには,小さな褐色斑があります.この違いは,どちらか一方だけ見ているとまったく自信がなくなるほど,微妙です.家には確実な標本があるので,まずそれを使って比較しましたら,採集したうちの1頭だけがマユタテアカネで,他はミヤマアカネと判別できました.やはり,トンボの研究をするには,最小限の標本が必要です.1頭だけ翅芽が膨らんでいて羽化しそうな幼虫がいるので,羽化させて最終確認をしますが,おそらく判定の間違いはないと思います.
もう一度,マユタテアカネとよく似た色彩の黒っぽいミヤマアカネとの比較をしてみましょう.よく見ると,ミヤマアカネの方がなんとなく丸っこい感じに見えます.頭部も丸みがあるし,腹部のラインも丸まっています.一方マユタテアカネは頭も三角だし,腹部のラインも直線的で,角ばった感じですね.写真に撮ってじっと見ていると,やはり違うなという認識になります.人間の眼はすごいもんですね.
あと「近畿とその近隣のトンボたち」では,カトリヤンマ,ナツアカネ,ホソミオツネントンボなど,これから夏に向けて終齢になる幼虫が残っていますので,それらのページも今年中に完成させたいと考えています.
早いもので,気がついたら明日は夏至.間もなく日長が短くなり始める時期になりました.トンボも折り返し点にやって来た感じです.今日はミヤマカワトンボを見に行ってきました.あちこちでパラパラ見かける普通種ですが,まとまっているところへは,ちょっと足を伸ばさなければなりません.産卵はお昼以降が普通ですので,ゆっくりと出かけました.
ミヤマカワトンボはあちこちで見かける割には,産卵している姿を見ることが少ないように思います.一方ニホンカワトンボ,アオハダトンボ,ハグロトンボなどは,たくさん産卵している姿を,割合に簡単に目にすることができます.普段はあまり考えないのですが,よくよく考えると,同じカワトンボなのにちょっと不思議な感じがします.これはおそらく,潜水産卵を通常の産卵モードにしているためだと思われます.今までの数少ない観察で,ミヤマカワトンボはすべて潜水しましたし,潜水した後,水面から見えないような位置に入り込み,隠れてしまうのです.ですから,潜水するところを見ない限り,見つけることが非常に困難になってしまいます.
今日は現地には11:00少し前に入りました.ミヤマカワトンボは,オスもメスも流れに止まって,時々飛んでは小昆虫をつかまえて摂食活動をしています.よく観察してみると,オスとメスはランダムに止まっているのではないようです.オスはきちんと縄張りを持っているようで,他のオスに対する排他行動が見られます.そしてその縄張りの中や周囲にメスが止まっています.オスがホバリングしながら近づいても交尾拒否姿勢をとって,交尾は許しません.でも,メスは,オスから逃げることなく,時々オスの周囲を飛んだりして,むしろ気を引くようなそぶりを見せます.オスは反応してホバリングして近づきますが,やはり交尾はできません.
アオハダトンボの観察でも感じたことですが,ある時間が来ると突然メスに産卵衝動が起きるように見えます.じっさい,近くに止まって,オスがしきりに気にしているメスの1頭が,突然交尾を許しました.それまで,オスのモーションには肩すかしを続けていたメスがです.
このメスはこのあと,すぐに潜水産卵に入りました.きょうはこの1組だけが交尾・産卵に至りました.他のカップル?は,結局メスが交尾を許すことなく,終わってしまいました.今度は水中カメラを持っていきたいと思います.
さて,この川には,まだニホンカワトンボが生き残っていました.もう老熟してボロボロな感じです.このあたりはかつて,ニホンカワトンボ(オオカワトンボ)の5つの型がすべて見られることで有名でした.今日の観察でもその片鱗,無色翅型オスがいました.
あと,アオハダトンボが1頭だけ止まっていました.近くに生息場所があるのでしょうか.
普通種でもなかなか手強いミヤマカワトンボでした.もう一度チャレンジしたい感じです.アップロードしたミヤマカワトンボのビデオにリンクしておきます.
梅雨入り前の最後の晴れ,とかいう天気予報で,とにかく出かけてきました.この時期端境期で意外と観るものがないので,アオサナエをもう一度見に行くことにしました.でも,今年はは個体群密度が低いのか,オスがちらほらいただけでした.
アオサナエを待っているときに,アオハダトンボが集まっているところを見つけたので,しばらく観察をしてみました.ここのアオハダトンボは今が旬のようで,若々しく輝いたオスメスが,繁殖活動を展開していました.
上のオスはいい縄張りを持っているようで,オスの見まもるなか,2頭のメスが産卵をしていました.ここはコカナダモなどはなく,清流のイメージが残る川でした.太陽光が射すと,水がもっと輝くのですけど...
晴れの予報にしては雲が切れず,ずっと薄曇り状態です.アオサナエはお昼前には諦めて,ムカシヤンマが生き残っているかどうか見に行くことにしました.しかしまったくその気配がありませんでした.農道を歩いていると,車にひかれたメスや,原因不明の死亡メスが,道路上に落ちていました.こうやってメスも減っていくんですね.ムカシヤンマも終わりだよって言われているようでした.
ムカシヤンマがよく止まっていたこの農道も,コオニヤンマが飛び交う季節になっていました.こいつは獰猛なヤツですから,他の弱った老熟個体は,どんどん減っていくように思います.天気のせいかトンボたちの動きももう一つでしたので,今日はこれで終わりにしました.