No.584. クロスジギンヤンマの産卵.2018.5.15.

今日は全国的に快晴.通常なら兵庫県北部など遠いところへ出かけるところですが,あいにく午後から所用があるので近くで観察をすることにしました.この時期のトンボということで,クロスジギンヤンマを狙うことにしました.クロスジギンヤンマのメスは,朝早くに産卵に来ることがあります.特に今日の池は,過去にもオスが池を飛ぶ前の8時前に産卵に来ていることが多かったです.そこで,今日も8時前にと思ったのですが,実際は8時30分になってしまいました.池は5m✕10mより一回り大きいくらいの小さなもので,オオフサモとヒシが繁茂しています.池に着いて早速覗いてみますと,いました.対岸の木陰で産卵をしていました.

▲対岸の木陰で産卵をする,クロスジギンヤンマのメス.今日はこの娘が主役.

▲日向に出てきて産卵するときもあるので,とにかく待ってみることにした..

この個体はとても敏感なようで,対岸で産卵しているのに,こちらが少しでも動きを見せると,パッと産卵をやめ,飛び上がります.はじめはウェーダーをはいて池に入ろうかとも考えましたが,これでは追いかけても無駄だと思いやめました.そして待ち構え作戦で行くことにしました.相変わらずすぐ飛んでは場所を変えています.そんなとき突然足下に飛んできて産卵しました.

▲あらあらと思っていたら,足下に止まって産卵をしてくれた.ただしとても短時間だった..

近すぎる!.でも位置を変えようとして動きますと,さっと飛んで場所を変えました.こうなったら根比べです.しかし,やはりクロスジギンヤンマは木陰が好きなようで,日の当たるところで写真を撮ろうとして待ち構えている私の気持ちなどお構いなしに,対岸の木陰ばかりで産卵し続けています.

▲相変わらず対岸の陰で産卵している.

▲ようやく,明るく日が差していて,横を向いていて,などいくつかの条件はそろった.

そこで,私も草の陰に隠れるようにして,木陰で産卵をしているメスの方に移動をしました.今回はうまくいったようで,逃げることなく,ときどき飛んで,その周辺で産卵を続けました.

▲日陰で産卵をするメス.翅を震わせながらの産卵で,その震動が波紋を形成する,産卵は続く.

▲クロスジギンヤンマの顔面.透き通ったガラス玉のような透明感がある複眼だ.

▲頻繁に小移動する.飛び立った瞬間.

▲そしてまた止まる.今回は顔をこちらに向けてくれて,思わずガッツポーズ.

さて,そんなときでした.こちらに背は向けているものの,かなり近くの位置で産卵を始めました.カメラをできるだけ近づけて写真を撮りましたが,翅を小刻みに震わせながら産卵するので,少しシャッタースピードを上げてみました.

▲さて,近くにやってきて産卵を始めてくれたのはよかったが…..

そのときです.突然ファインダーの中にオスが飛び込んできたのです.オスはメスの前方から,メスに乗るようにつかみかかり,メスの上に乗ったまま反時計回りに体を回転させて,メスと同じ向きになりました.そして尾部付属器をメスの首の方に近づけ,メスの複眼の間を挟み込んで,一気に,水から抜き取るようにして,メスを連れ去りました.この間約2秒の出来事でした.シャッタースピードを上げたのが幸いして,ブレの少ない写真になりました.

▲オスがメスにつかみかかり,わずか2秒でタンデムになってお持ち帰りした.

その後池は静かになりました.クロスジギンヤンマを見に来て,池に着いて20分で予定終了でした.ということで,次に,コサナエ属のトンボの現状を見に行きました.池にはフタスジサナエのメスがいただけで,オスの姿は池にはありませんでした.メスの体色も薄緑色になっていて,成熟が進んでいます.雰囲気としては,コサナエ属3種の時期は大体終わったような感じでした.

▲淡色部が薄緑色になってきたフタスジサナエのメス.

▲小道の地面の上でホバリングするタベサナエのメス.

一方ヤマサナエも何頭か見かけましたが,いずれも体色の淡色部は鮮やかな黄色で,成熟には今しばらく時間がかかりそうな状態でした.今日は,春の小さな端境期のような印象でした.

▲ヤマサナエの未熟なオス.成熟まであと一歩.

この週の後半から曇天が続くとの予報です.今がシーズンとしては一番大切なときなのに残念です.まあ,何を見に行くかは,その日の天候を見て決めましょう.

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