No.552. ハッチョウトンボの観察.2017.6.24.

先週,ハッチョウトンボを観察しようと,近くの産地へ出かけました.すると,池の周りに高い柵が設置されていて,立ち入り禁止の看板が立っていました.まあ,湿地の保護,あるいは生息地の保護ということが目的だと思いますが,これで,ここのハッチョウトンボは,状態が悪くなっても,私にはそれを知ることができなくなりました.いつまでも生き延びてくれることを期待するだけですね.帰りにはコフキトンボを見に行きましたが,メスが1頭いただけで,写真にも撮れませんでした.


▲ハッチョウトンボが見られた小さな湿地

ということで,今日は,明日から本格的な梅雨の到来を迎える最後の晴天.県北の方へハッチョウトンボまたはコフキトンボを見に行くことにしました.こんなものまで県北へ行く必要ができたほどに,県南部の生息地が減少している証拠です.現地はうす曇りでしたが,時々日差しが強くなり,まあまあの色温度で写真が撮れました.

▲ハッチョウトンボのオスたち.ざっと数えても10頭以上はいた.

▲ハッチョウトンボのメスたち.メスは湿地には出ず周辺の草地に隠れていた.

ハッチョウトンボは,いても,しばらくは目につかないのが面白いところです.湿地にじっと目を凝らしていても,いないように見えるのです.しかし1頭が飛んだりしてみつかると,あと次々と目に入るから不思議です.オスは10頭以上,メスも草むらに数頭発見できました.例によって,未熟な個体も混じっていました.

▲ハッチョウトンボの未熟なメス.まだ複眼が白っぽい.

▲ハッチョウトンボの未熟なオス.やはり複眼が白っぽい.

▲ハッチョウトンボ半成熟オス.複眼の一部と尾部付属器が白い.しかしすでに湿地に出ていた.

日が強く差してくると,未熟な個体はすぐに腹部挙上姿勢をとりました.体全体を太陽に向けるというより,腹部を反らすようにして持ち上げるところがハッチョウトンボの可愛いところです.

▲ハッチョウトンボの腹部挙上姿勢.上:未熟オス,下:未熟メス.

12時を過ぎてから交尾態を1例観察しましたが,写真に収めることはできませんでした.その後産卵をせずにメスは飛び去ったようです.


さて,後半は,この時期ならではの,春のトンボ,今がシーズンのトンボ,夏のトンボ,そして秋のトンボ,すべてが見られる時期ですので,すべてを探してみることにしました.まず春の生き残り,いましたねぇ.コサナエの生き残り.もう翅はボロボロ.ホソミオツネントンボもいましたけれども,写真には撮れず.ムカシヤンマも姿を見ました.


▲コサナエのオス.翅はボロボロで腹部も脂ぎっている.

次の今がシーズンのトンボたち.まずはショウジョウトンボ,これ,あまり私のブログには登場しないトンボです.数が多くいつでも観察できるのですが,結構すばしこく,すぐに私があきらめてしまうのです.

▲ショウジョウトンボの成熟オス.

▲ショウジョウトンボの未熟なメス.淡い黄色が可憐である.

次にシオカラトンボ,これもたくさん飛んでいましたね.今日の第二の目的のコフキトンボは非常に数が少なかったです.水面に浮かぶ茎に卵が着いていました.産卵はしているようですね.

▲シオカラトンボの交尾.この後警護産卵を行った.

▲コフキトンボのオス.流れに止まっていた.数は少ない.例によって4本脚で止まっている.

イトトンボたちも元気です.流れにはセスジイトトンボではなくオオイトトンボが来ていました.モートンイトトンボもハッチョウトンボの湿地に来ていました.待てば午後産卵するんでしょうね.

▲オオイトトンボのタンデム.産卵行動には至らなかった.

▲モートンイトトンボの成熟メス.オスや未熟なオス・メスも見られた.

サナエトンボ科ではキイロサナエがこの時期の代表選手でしょう.ヤマサナエはメスを1頭見ただけでした.キイロサナエは,珍しくオスが2頭並んで縄張りを持っていました.普通追いかけ合いをして一方が他方を追い払うのですけどね.

▲キイロサナエのオス.上は2頭が仲良く並んでなわばりを形成している.

さて次は夏のトンボ.キイトトンボがたくさん発生していました.成熟しているのもいましたが,多くが羽化して間もない未熟個体でした.あと1週間もすれば,キイトトンボだらけになるでしょうね.それ以外にも,ハグロトンボ,チョウトンボ,ウチワヤンマ,コシアキトンボ,オオシオカラトンボなどを見ました.いずれも数が少なく写真にはなりませんでした.

▲キイトトンボのメスの未熟個体.胸部がまだ薄赤い.

成虫の姿は見ることができませんでしたが,オナガサナエの羽化殻がついていました.夜の間に羽化する性質があるので,昨夜かそれ以前化に羽化したようですね.夏のサナエトンボも動き出しているようです.

▲オナガサナエの羽化殻.かなり高いところについていたのだが,どうやって上ったのだろう?

秋のトンボもひっそりと出現していました.アキアカネです.ネキトンボも羽化していました.これは秋というか夏のトンボかもしれませんね.

▲アキアカネの未熟個体.他にも数頭見つけることができた.

▲ネキトンボの未熟メス.羽化直後の処女飛行個体が止まったもの.

今日は,今が旬のハッチョウトンボを見ることができ,まあ,一応目的達成です.湿地にはカエルがたくさんいで,シマヘビがカエルを咥えて逃げていきました.最後にゲスト登場してもらいます.

▲シマヘビがよく太ったトノサマガエルに食いついていた.

観察は9:30から14:00まで行いました.

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