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神戸のトンボたち 4
丹生山地と北区の田園地帯
−中小河川中流性・湿地性のトンボの宝庫−

 六甲山の背後に広がる北区の田園地帯と丹生山地,および淡河川 (おおごがわ),志染川 (しじみがわ)(=山田川)などの加古川とつながる河川は,現在も良好な田園の自然が残っている地域です.丹生山地は500m級の山々ですが,いくつかの湿原が残されており,神戸市では捨て難いトンボの生息環境があります.また,志染川(山田川)流域は市街化区域に指定され水質汚濁が気になりますが,淡河川は流域に住宅団地がなく,かなり自然が残されていて,水質も良好で神戸市では他に見られないトンボがこの地域で多くみられます.西区の明石川などにも似た環境はあるのですが,北区の方にこれらのトンボが多いということは,この地域の方が自然環境の残されている程度が高いということでしょう.このことは表1にもはっきりと表れています.ただ,淡河川でも河川の改修が始まっていて,今後河川にすむトンボ類の減少が心配されます.

 この地域のトンボとしては,まず,丹生山地の湿原に生息するハッチョウトンボサラサヤンマエゾトンボが特筆すべきものです.いずれも決して数は多くありません.また淡河町には,キイロサナエヤマサナエアオサナエオジロサナエホンサナエコオニヤンマなどのサナエトンボ類をはじめ,コヤマトンボオオカワトンボなど,河川の中流に生息するトンボが今も見られます.河川の中流域は,ヒトの生活領域と重なり,改修工事が行われてもっとも自然環境が失われやすいところですが,これら中流にすむトンボがまだ細々と残っている点は,神戸市にとって非常に貴重であるといえます.

 田園地帯のトンボは西区と大きく違わないようですが,より内陸部を好むオオイトトンボが多く見られるようです.

(次ページへ続く)
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