017.ヤンバルトゲオトンボ   Rhipidolestes shozoi

ヤンバルトゲオトンボ♂
沖縄県国頭村
1992.3.26.

<分類学的位置>
 トンボ目 Order Odonata
 ヤマイトトンボ科 Family Megapodagrionidae
 トゲオトンボ属 Genus Rhipidolestes

<分布>
 日本特産種であり,沖縄本島北部山原(やんばる)に分布する.

<特記事項>
 奄美大島から沖縄本島周辺に分布するトゲオトンボは,分類が整理されたり,種の細分化がなされたりして,この十数年で和名や学名に大きな変化が生じている.以前は奄美大島,徳之島,沖縄本島,渡嘉敷島に分布するヤマイトトンボ科の種は一種と見なされてリュウキュウトゲオトンボと呼ばれていたが,朝比奈(1994)によって日本産のトゲオトンボ類が整理されたとき,和名がオキナワトゲオトンボと変更された.
 その後,Ishida (2005) は,このオキナワトゲオトンボを再検討し,さらに詳細な種に分けた.それによると,オキナワトゲオトンボ Rhipidolestes okinawanus Asahina, 1951 を,名護市の多野岳の南西部および渡嘉敷島に分布する個体群に限定し,多野岳の北東部の山岳地帯に分布する個体群をヤンバルトゲオトンボ Rhipidolestes shozoi Ishida, 2005,奄美大島・徳之島に分布する個体群をアマミトゲオトンボ Rhipidolestes amamiensis Ishida, 2005 として新種記載した.さらにアマミトゲオトンボについては,徳之島の個体群を奄美大島個体群の亜種,トクノシマトゲオトンボ Rhipidolestes amamiensis tokunoshimensis Ishida, 2005 として亜種記載をした.その後Futahashi & Sasamoto(2012)によってDNAを使った分子系統解析が行われ,Ishida(2005) の説が裏付けられた.

朝比奈正二郎,1994.日本および台湾産トゲオトンボ類の再検討(4).沖縄本島および奄美諸島の種類について.月刊むし (283):14-17.
Futahashi, R. & A. Sasamoto. Revision of the Japanese species of the genus Rhipidolestes (Megapodagrionidae) based on nuclear and mitochondrial gene genealogies, eith a special reference of Kyushu-Yakushima population and Taiwan-Yaeyama population. Tombo, 54:107-122.
ISHIDA Katsuyoshi, 2005. Reclassofocation of Rhipidolestes okinawanus ASAHINA, 1951, Occurring in the Ryukyus (Odonata, Megapodagrionidae). Jpn. J. syst. Ent., 11(1): 167-181.

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