H081.マイコアカネ Sympetrum kunckeli 連結打泥産卵
観察地の風景
▲水落をされたため池に泥の水際が現れた.
 10月に入った,秋の少し曇っていた日,マイコアカネの生息する池に出かけた.マイコアカネはまわりに樹林が隣接していない平地の池に生息する.もちろん樹林があってもいいのだが,特に必要としないらしい.この池も台地にある皿池で,ハスが植えられていて浅い.聞くところによると,この池はこの写真ほど水落をすることはあまりないらしい.マイコアカネは水際の泥などに産卵するので,こういった水際の登場は産卵には好都合なのである.そしてたくさんのカップルが産卵に訪れた.
産卵に来たマイコアカネのカップル
▲産卵に来たマイコアカネのカップル.
 現地には10:00ころに到着したが,既にマイコアカネは産卵を始めていた.幸い薄日が射してきた.マイコアカネは底に横たわるヒシの植物体に卵を産みつけている.打泥した後,かなり高いところまで上がる.ストロークの大きな産卵の動きである.
水位が下がりだらしなく底に横たわったヒシをねらって産卵する
▲水位が下がりだらしなく底に横たわったヒシをねらって産卵する.
 人間が写真を撮っていると,少し警戒心が出るのか,すぐ横を通り過ぎて,遠くの方に移動してしまう.腹端を打ちつける位置はとても正確で,水際線その場所にほとんど狂いもなく打ちつけている.これはオスがねらっているのかメスがねらっているのか,どちらなのだろう.打泥する直前,オスはほぼ垂直降下をするかのように深い前傾姿勢で泥面に向かう.メスはそれに引っ張られるように泥面に落ちていく.
雑然としている産卵場所
▲雑然としているが,マイコアカネにはこのような場所がいいのだろう.
 次々と産卵にやってきて,すぐ近くで2ペアが産卵を始めた.餅つきのように交互に打泥する.打泥リズムはほとんど同じで,交代で打ちつけるリズムは崩れない.
2ペアの産卵
▲2ペアの産卵.
 赤トンボの連結産卵を見ていて気づくのだが,オスに複眼の間をつかまれたメスは口を開けている.これは一種の反射なのだろうか.ナニワトンボやオオキトンボでもはっきりと写っている.
クログワイの茂る場所で産卵するペア
▲クログワイの茂る場所で産卵するペア.
 だんだんと数が減ってきて,いよいよ産卵のショウも終わりに近づいたようだ.