H074.ノシメトンボ Sympetrum infuscatum 連結打空産卵
観察地の風景
▲禾本科植物が一面に茂る広々とした池畔.
 ノシメトンボは平地の池とそれに付随した草原に集まってくる.関東地方などでは水田の生活者として,電線に鈴なりにとまるほど群れているところもある.兵庫県南部でも水田で生活しているようだが,ため池に付随した草原や水落しをして底が露出した草地で,連結打空産卵をしているのを多く見かける.
全く水のない草原で産卵するカップル
▲全く水のない草原で産卵するカップル.草をよけながら産卵する.
 ノシメトンボは,日当たりのよい,底が露出し水が全くなくなっている場所で産卵をする.来年の梅雨時には水がここまで来るのであろうが,秋の水際からはかなり遠く離れている.この日は9月27日で,まだノシメトンボには少し早い.彼らは10月が産卵の最盛期である.神戸市ではこのトンボは数が少なく10月から11月にかけてみられることが多い.
軽く上下動をしながら卵をばらまく
▲軽く上下動をしながら卵をばらまく.
 アカトンボの中では大型で,メインページのアニメーションのように,ふわふわと浮かぶように上下動する.近づいてもあまり逃げずに,悠然と産卵を続けることも多い.写真で判断すると,連結して産卵しているときは,メスはあまり腹部先端を曲げないようである.波打つようなカップルの動きに合わせて卵を放出しているようである.
連結を解いて単独産卵に移行するメス
▲連結を解いて単独産卵に移行するメス.オスは少し離れてメスを見守っている.
 他のアカトンボとよく似て,ノシメトンボも,後半メスを放して単独産卵に移行することがある.単独になると少しリズムが変わって,メスは卵の放出の瞬間腹部先端を少し大きく曲げる.また放卵の瞬間,羽ばたきもしっかりと行うようになる.連結産卵の方がメスは体力を使わないですむように見える.
産卵の終了
▲産卵の終了.産卵が終わると,上空へ舞い上がって,近くの樹林のある方へ逃げ去る.
 このメスは単独産卵を結構長い間やっていて疲れたのか,産卵が終わったら少し静止して休み,その後一気に上空へ舞い上がって,樹林の方に飛び去った.