H021.ホソミイトトンボ Ceriagrion melanurum
オスのパトロール飛翔
 ホソミイトトンボは結構活発なイトトンボである.春の午前まだ少し涼しさの残る生息地では,水面上をオスが飛び回る.イトトンボ類は普通飛んでもすぐに止まるのだが,この池のホソミイトトンボはいっこうに止まらず,ずっと飛び続けて,探索活動を行っていた.
オスのパトロール飛翔.2010.5.16., 兵庫県宝塚市.
連結植物組織内産卵
 ホソミイトトンボのもっともオーソドックスな産卵形態である.水面に倒れた植物体の茎や葉,水面を這っている水生植物の茎などに,連結態で産卵する.その際,オスはやや体を前に倒して立ち上がる姿勢を取る.
連結植物組織内産卵.2008.4.29., 兵庫県小野市.
越冬型のオス
 ホソミイトトンボには季節多型があるといわれている.これは越冬型のオスである.下の夏型の写真と比べると,胸部の水色がより鮮明であることが分かる.写真ではわかりにくいが,体長もひとまわり大きい.
越冬型のオス.2010.6.5., 兵庫県宝塚市.
夏型のオス
 夏型のホソミイトトンボは越冬型に比べると小型である.実際に飛んでいるのを見ると,前半分が薄緑色に見えて,アオモンイトトンボやアジアイトトンボのように見えることがある.もっとも,腹部第9,10節の水色ですぐ区別はつく.
夏型のオス.2010.8.1., 兵庫県加東市.
夏型の交尾
 夏型は,特にメスの色彩が越冬型と異なる.メスは薄緑色をしていて,腹部の先端背面部に,一部水色が出る.交尾は20分から30分続く.
夏型の交尾.2011.7.24., 兵庫県小野市.
夏型のオス
 ホソミイトトンボはよく飛ぶ.カンガレイの間を縫うように飛び回る.時々葉をつつくような動作をするので,小昆虫を摂っているのかもしれない.
夏型オスの飛翔.2011.7.24., 兵庫県小野市.